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2014年06月30日(月)

吉祥寺と日本酒 第二回~立ち飲み 笑門~

吉祥寺と日本酒 第二回~立ち飲み 笑門~

吉祥寺で美味い日本酒を飲める店。

美味い日本酒に出会ったことはありますか?
全国各地に様々な味わいを持った日本酒があります。
お店に入って「おすすめを。」と店員さんにお酒をセレクトしてもらうのも楽しみ方の一つ。

今シリーズでは、吉祥寺の「美味い日本酒が飲める店」をご紹介していきます。

入り口写真
内観写真

こだわりの純米酒を揃える大衆居酒屋「立ち飲み 笑門」

第二回目に登場するのは、店を構えて10年目を迎える「立ち飲み 笑門」さん。
優しい笑顔のママとマスターの伊東さんが切り盛りするお店だ。

立ち飲み席の他に座れるテーブル席もあり、注文はすべてキャッシュオン。一人でゆっくり飲むお客さん、わいわいと楽しむ常連さん、楽しみ方は皆好き好き。ちょうど良い「ほっとかれ具合」が心地よい。

なぜ日本酒特集に大衆居酒屋?と思う人もいるかもしれない。
しかし棚に並ぶ一升瓶や壁に貼られたラベルの数々を見ればその理由がわかるだろう。青煌、日置桜、天穏、竹鶴、五人娘、独楽蔵、玉川・・・。日本酒好きならニンマリしてしまう素敵な銘柄がずらりと並んでいるのだ。

クリームチーズ
おにぎり

特別ではないけれど、側にあると嬉しい日替わりの「ちょいつま」

カウンターのショーケースにはポテトサラダやキムチ、刺身など定番の居酒屋メニューが小さな皿にもられて並んでいる。「ちょいつま」と呼ばれる値段もお手頃なおつまみだ。
常連さんが多いので、「飽きちゃうでしょ?」というマスターの心遣いからメニューは日替わり。その他、モツ煮込みなどの温かい料理や名物おでんなどもある。
決して特別ではないのだけれど、あると嬉しい財布に優しい、酒飲みの気持ちをわかったおつまみがうれしい。

そして常連客に人気なのが〆の「焼きおにぎり おでん汁ぶっかけ青ネギのせ」(350円・税込)。
酒蔵の作る吟醸味噌とこだわりの醤油で味付けし、おでんの汁をかけたお茶漬け風の一品。
もともとはまかない飯として食べていたものが、今では定番の人気メニューに。お酒を飲んだ後のお腹に優しい味わいだ。

マスターが選ぶこだわりの純米酒

普通酒や本醸造酒をやめて、純米酒だけを扱うようになったのは5年前。
同じく吉祥寺にあるお燗酒の店「カイ燗」さんや武蔵関にある酒屋「大塚屋」さん、青梅で国産の酒をメインに扱う「武藤治作酒店」さんなど、本当に美味い純米酒を扱う人々との出会いが大きいという。 それからはマスター自ら様々な日本酒店に足を運び勉強をしたそうだ。

この日、「お燗で美味いお酒をください。」と言っておすすめしてもらったのは、「日置桜 穿 玉栄最終章」(1合900円・税込)。味わい深さと食事との相性には定評のある日置桜の中でも流通量が少ない穿シリーズ。
合わせたつまみは「クリームチーズ&おかか」(250円・税込)。しっかりとした米の味わいとそれに絡む複雑な酸味。
温めた酒とクリームチーズのまろやかさがちょうど口の中で混ざり合って旨みが広がる。味のしっかりしたお燗酒とチーズって本当に良く合う。

マスター
酒

普通の感覚で純米酒を

マスターの伊東さんは、大衆居酒屋でホッピーやチューハイと並べて純米酒を置いていることについて、「まだまだ『高いよ!』なんて言われたり、珍しがられることもあるけど、本当はこれが普通だったはず。普通の感覚で純米酒を飲んでほしい。」と言う。

近年は日本酒ブームなどと言われているが、専門店以外で旨い日本酒に巡り合えることはまだまだ少ない。安くて悪酔いする日本酒が居酒屋の定番にとなり、いまだにその風習から抜け出せていないでいる。
ホッピーやウーロンハイと並んで気軽に「純米酒」を飲める店。それが「全量純米宣言」の立ち飲み笑門。

ただ純粋に「美味い!」から日本酒を飲む。そんな気持ちにさせてくれる夜だった。

取材・文/オオトヨウコ 写真/橋本すみれ

お店 立ち飲み 笑門
所在地 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-11 丸善ビル B1F
TEL
定休日 無休
ホームページ http://shomon2.exblog.jp/
外観写真

他にも見つけた美味い日本酒を呑めるお店

魚秀
スタッフ自ら漁船に乗って仕入れてくるという新鮮な魚介類と日本酒が楽しめる店。
手打ちそば 中清
五日市街道沿いにある手打ちそばの店。大正時代から続く老舗。地酒を50種類ほど揃えている。
プラットスタンド 酛
新宿で人気の立ち飲み日本酒店の2号店。美味い日本酒が気軽に楽しめる。
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