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2014年04月19日(土)

吉祥寺のおこめやさん~金井米穀店~

吉祥寺のおこめやさん~金井米穀店~

吉祥寺で愛され続けるお米屋さん「金井米穀店」

日本人にとって、切っても切り離せない存在、「米」。
戦後の急激な時代の変化の中で、現在に至るまで吉祥寺で70年近く愛されているお米屋さんがあります。

2014年3月にリニューアルオープンした、「金井米穀店」を取材しました。

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三代続く、町のお米屋さん

東急百貨店の脇にある昭和通りをしばらく歩き、銭湯「弁天湯」のちょうど向かいのあたりにあるのが「金井米穀店」。立派な木製の看板が目印だ。
リニューアルオープンした店内は大正時代からある建物の質感をそのまま生かしたデザイン。年月を感じさせる古道具や木の素材が建物に調和していて、「昔のお米屋さんって、こんな感じだったのかな?」と想像してしまうような、懐かしさのある落ち着いた空間になっている。

金井米穀店は、現在の店主を務める金井一浩さんの祖父にあたる勇さんが、戦後間もなく店を開いた。戦時中は地域の配給係を担っていた勇さんが地域の人々の承諾を受けてお米屋さんを始めたそう。(当時はある程度の人数の承諾を受けなければお米屋さんは開業できなかった。)
一浩さんで3代目となる老舗のお米屋さんだ。

環境や健康も考えた、これからの時代のお米選び

学校を卒業した後は別の職業に就いていた金井一浩さんだったが、平成に入り規制緩和の時代変化に対応できていない実家の米屋に危機感を覚え家業を継ぐことを決意したという。
その後、お客さんに目が向いていないお米業界の古い体質や流通から脱するために1年半の通信教育を経て「お米アドバイザー」「小児食生活アドバイザー」などの資格も取得。

産地に出向いて田んぼを見学したり生産者の方と直接会う機会を積極的に持ち、生産者の方に直接「こんな米を作ってほしい」と提案を行うこともあるという。単に美味しさだけではなく環境や健康も考えた生活の中のお米選びを提案している。

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お米屋さんの最終形=おむすび屋さん

3月にお店をリニューアルしたと同時におむすびの販売も始めた。現在6種類ほどを用意し、朝9時の開店から売り切れるまでの限定販売をしている。早い時には昼の14時くらいに完売することもあるという。
この日は山形県の「山形95号」というお米を使ったおむすびが店頭に並んでいた。雑穀を混ぜて炊いた米に新潟産の磯塩をつけて握った「塩雑穀」の他、高菜、銀鮭、梅、しそおかかなど定番の具材が並ぶ。

米を売ることが本業のお米屋さんでなぜおむすび屋を始めたのか理由を伺うと、「お米屋さんの最終形がおむすび。」という答えが返ってきた。米は調理してこそ味がわかるもの。米のおいしさを知ってもらうには、ただお米を売るだけではなく、おむすびという形でより直接知ってもらいたい、という思いがあるのだという。

なるほど、「山形95号」というお米、名前を聞いても味はわからないが、おむすびになって売られていれば、実際に味わってみることができる。月ごとに様々なお米を紹介していくそうだ。

おむすびは予約注文も受け付けていて、10個以上からは配達もできるとのこと。米と一緒の注文ならば1個から届けてくれる。

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金井さんから教わった、おいしいお米を選ぶポイント!

金井さん曰く、一言に「おいしいお米」と言っても、好みは様々で、育った地域にも左右されるという。そこで、自分の舌に合ったお米を選ぶポイントを伺った。

①粘りが強いか弱いか
②硬い米か柔らかい米か
③精米方法(玄米、白米、胚芽米など)
④米の炊き方(炊飯器、土鍋、ガス窯など)
⑤水
大きく分けてこの5点がポイントだそう。米の品種や産地、食べる人の環境や調理法でも味は変わってくる。関東の人は関西に比べて粘り気の強い柔らかい米を好む人が多いのだとか。もちもちっとした食感は東北の米の特徴なのだそう。

大きな米袋や雑穀類が所せましと並べられている店内で、ふと目にとまったのが「オリジナルブレンド 米研自慢」。米のブレンドと聞くと、タイ米とジャポニカ米の「ブレンド米」を思い出してしまうが、そのブレンド米とは全く違うものだ。
本来、米はコーヒー豆のように、相性の良い米をブレンドすることにより「香り」や「粘り」「歯ごたえ」など特徴が混じり合い、単品とはまた違ったおいしさを楽しめるのだそう。お米の味わい方の幅を広げてくれそうだ。

店頭では、米の炊き方などアドバイスを交えながら自分に合ったお米を選んでくれる。毎日のお米をもっとおいしく食べたい、という方はぜひ直接お店へ足を運んでみてほしい。

金井さんと話す食の講座「ごはんの時間」

月に1度、金井さんの講義とそれに伴う体験をセットにして、身近に食について考えたり感じたりすることができる講座が「ごはんの時間」だ。少人数制で参加者同士のディスカッションも多く、毎回好評だそう。
2014年1月からスタートし、1年をかけて様々なテーマを取り上げる。これまでに味噌作りや江戸時代のおむすび作りなどを行い、今後は長野県駒ケ根市での田植えや稲刈りのイベントも予定している。
日時や詳細は共同で企画をしているニューロカフェのHP(http://www.neuro-cafe.com/)でご確認を。

取材・文/オオトヨウコ

お店 金井米穀店
所在地 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-26-9
TEL 0422- 22-5439
定休日 日曜日
ホームページ http://www.kanai-come.com/
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「らしさ」に「戦略」を。FUBUKI

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